PERSONAL PROJECTについて

PERSONAL PROJECTについて

2000年ごろから様々な作品を撮影してきましたが、中でも得意とするのはセットを組み立てて撮影する、セットアップポートレートです。どのシリーズも基本となるテーマは ”あなたは自分の人生という映画の主人公!”  被写体の人生の一場面にスポットを当て、映画のワンシーンのようなセットを作って一枚の写真に収めます。

まずは被写体との話し合いを通して、彼らの性格、人生の場面、思い出、夢、願望、今大好きなもの、大事にしていることなどなど、雑談をしながらイメージを組み立てていきます。そこにCHITO独自の色彩、世界観を加え、被写体の人生の一場面を視覚化していきます。自身の世界を写真というフィルターを通して見てみると、自分では当たり前の日常と思っていたことを俯瞰から見詰めることができ、いつもとは違う視点が生まれます。自分の人生は自分が考えている以上に素晴らしいものかもしれない、そんなことを被写体と発見しながら撮影を進めていきます。


家族劇場 2017〜 

家族に焦点をあてたセットアップポートレートのシリーズ。自身の妊娠中の体の変化や心の変化が劇的で、そのことを写真に納めたいと思って始めたプロジェクトです。マタニティーフォトはとても優しくに柔らかに撮影されることが多いです。もちろん妊娠出産は最高に幸せな出来事なのですが、現実は中々大変です。自分の心身、ホルモンの変化はさることながら、突然ある日母になる自分、今までは恋人だった夫との関係の変化、そんな事を考える間も無く始まる子供との怒涛の日々。そんなところから始まって、派手ではないけれど、しみじみとした愛を感じたり、困難も乗り越える日々の積み重ね。子供の成長と共に変化していく家族との関係や、家の様子など、そんなワチャワチャした様子を一枚の写真にギュッと収めて撮影したのがこのシリーズ。家族の変化を時系列で長期的に撮影していく記録写真のプロジェクトです。

2018~2020 家族劇場 前田家

コロナの自粛期間中に撮影した岡崎家の家族劇場の撮影風景の様子。普段の撮影もこんな感じでやっています。


BOY’S KINGDOM 2009〜

多種多様な人々が、自分の夢を叶えるためにやってくるニューヨーク。独自の世界観を持って生きる、個性的な人々がたくさん集まる町だ。”BOY’S KINGDOM”は、そんなニューヨークに暮らす一般の人々に焦点を当てたポートレートシリーズ。インタビューを通して、彼らの王国をともに構成していく。モデルの実際の住空間を舞台に、各自の所有物や、撮影のために用意した小物を加え、セットからともに視覚化していくコラボレーション。

BOY’S KINGDOM HIROSHI

BOY’S KINGDOM HIROSHI


LOVE FOR SALE 2008

日本の女性は、「ホストクラブ」で一晩の "愛 "を手に入れることができる。この疑似恋愛のために作られた特別なセットでは、役者達が主人公の女性にひと時の夢を見させてくれる。東京の新宿歌舞伎町と呼ばれる地区には、バーやラブホテルとともに、何百ものホストクラブが存在する。ホストは女性達と時間を共にし、またクラブに戻ってきてもらうために彼女達を巧みな話術と容姿で魅了する。彼らが客を呼び戻すための策略を、本当の愛情だと勘違いしてしまう女性も多い。

ホストの間には、ある程度の序列がある。新入りの男たちは、夕方に客が来る前にクラブの掃除や手入れをしなければならないし、マネージャーもかつてはベテランホストだった。この写真は、東京を代表する老舗のホストクラブ「Club 愛」でお客を待つホスト達の日常を切り取ったものだ。